ペット東洋医学アドバイザーによる犬の薬膳食材解説です。今回は「黒豆」を取り上げます。
黒豆の「黒」は五臓の「腎」を補う色とされています。
黒豆の色素「アントシアニン」には抗酸化作用、視力を守る作用があることが知られています。
薬膳食材としての「黒豆」
- 五味:甘
- 五性:平
- 帰経:脾・肝・腎
- 効能:血行促進、水分代謝の促進、解毒、胃腸を整える、腎を助ける。血を補う。
- 適応:むくみ、腰痛、月経不順、老化防止
下ゆでをして美味しく食べよう「黒豆」
お正月料理として馴染みのある黒豆ですが、甘い煮豆以外の調理法でも美味しくいただけます。
色艶が良く黒光りした良い黒豆を入手したら、たっぷりの水でまずは一晩戻します。その後、豆が柔らかくなるまで煮ます。
十分に柔らかくして犬に与えます。
黒豆は質の良いタンパク源。特に老犬におすすめ。
黒豆に含まれるたんぱく質はアミノ酸バランスが良く、植物性食品の中では珍しく、肉同様に「100」を示します。これは黒豆に含まれるたんぱく質が、犬の体での利用効率が高いことを示します。
アミノ酸バランスについては「タンパク質 | 犬の手作りごはん栄養学」という記事に書きましたので、栄養について詳しく学びたい方はこちらを参考にしてください。
老犬は筋肉が落ちやすい
老犬は特に、加齢に伴い体でのアミノ酸利用効率が下がります。これは食物から摂取したたんぱく質を、体内でうまく自分の体を作る材料として利用できないことと同義です。
そのため老犬は筋肉が落ちやすく、それが原因で筋力が衰え「サルコペニア(筋肉減少症)」になりやすくなります。これが進行すると「フレイル(虚弱)」状態になり、寝たきりになるリスクが高まります。
体内の酸化防止に | アントシアニン
黒豆は薬膳では老化防止に良い食材とされていますが、加齢とともに利用効率の下がるアミノ酸をバランスよく補い、かつ抗酸化成分のアントシアニンを含みます。
これは老犬の健康維持を考える際、栄養学的に見ても理にかなっています。ぜひ積極的に食べさせてあげてください。
まずは手軽に「黒豆納豆」を利用してみよう
豆を煮るのが苦手、もしくはあまり煮る機会がない、という方は手軽な「黒豆納豆」の利用がおすすめです。
これは黒豆を利用した納豆で、少し色が黒っぽいのが特徴のごく普通の納豆です。納豆を好む犬も多いので、ぜひ試してみてください。