Office Guriの諸橋直子です。日本ペットマッサージ協会認定ペット東洋医学アドバイザー・JADP認定中国漢方ライフアドバイザーの有資格者です。
薬膳は中国古典医学の食事療法です。犬の手作りごはんに薬膳の知恵を取り入れることで、犬の健康管理に活かせます。
薬膳では、食物の持つ性質を「冷」「涼」「平」「温」「熱」に分類しています。
「冷」「涼」は体の炎症を鎮め、排泄を促すもの、「温」「熱」は血行を促進し代謝活動をあげるもの、と言う風に捉えられています。
「平」は上記いずれの性質持ちませんが、体に栄養を与え、基礎体力をつける働きを担うと考えられています
このように食材の持つ「薬効」を体質や体調によって使い分けるのが薬膳の基本ですが、今回はこの中から「温」の性質を持つラム肉を取り上げて解説します。
疲労回復、足腰の冷え、体力回復に「ラム肉」
ラム肉を薬膳の視点で見ると以下のようになります。
- 五性:温
- 帰経:腎・脾
- 五味:甘
帰経は食物の持つ薬効がどこに働きかけるか?を示したもの。
この場合は「腎(腎臓および腎機能、生殖機能)」「脾(消火器、消化機能全般)」に羊肉の薬効が働きかける、と言う意味です。
五味は食物が体にどう働きかけるか?を示したものです。「甘」は胃腸の働きを助ける薬効を表します。滋養強壮、虚弱体質の改善、痛みの緩和などが作用として挙げられます。
ラム肉の効能
- 補気
- 補虚損
- 温中
- 温腰膝
- 通乳
補気はエネルギーを補い元気にすること。
補虚損は先天性の虚弱体質、またはストレスや過労によって怒った虚弱を補い、回復させる作用のことを指します。
温中は胃腸を温め、その働きを高めることを指します。
温腰膝は文字通り、膝や腰を温める作用です。羊肉が足腰の冷えに良いとされるのはそのためです。
通乳は母乳の出をよくする作用です。
シニア犬には特におすすめ
ラム肉は体を温め胃腸の働きを助け、体にエネルギーと元気を補うと薬膳では考えられている食材です。
まあ、足腰の冷えにも良いとされています。
体の代謝が落ち、若い頃と比べて元気が無くなってきたのが気になる…と言うシニア犬にはお勧めの食材です。
おすすめ犬の手作りごはんレシピ
【羊肉のレタス炒め】
- 羊肉を食べやすい大きさに切り、フライパンで炒めます。
- レタスを手でちぎり、よく洗ったらフライパンに投入。
- レタスがしんなりしたら、器に盛って冷まして与える。
応用編として、残りご飯があれば入れちゃってください。立派な「レタス+羊肉チャーハン」に大変身です。レタスをキャベツに変えてもOKです!