ペット東洋医学アドバイザー・JADP認定薬膳インストラクターの諸橋直子です。
薬膳は中国古典医学「中医学」の中の食事療法です。
薬膳は中医学では、病気の治療に用いられるのはもちろんですが、普段の食事に気をつけることで健康に留意し、病気の予防に努める目的も担っています。
この記事では薬膳で「老化」をどのように捉えているかを解説します。
老化は「腎」の衰えから
中医学では人の体の基本構成を「五臓」で捉えます。
「五臓」というのは
- 肝
- 心
- 脾
- 肺
- 腎
を指します。
これらの臓器は肝臓、心臓、腎臓、という風に具体的にイメージしやすいです。
心臓はポンプの働き、腎臓は血液をきれいにするフィルターの役割、のように機能的な役割を頭に思い浮かべやすいです。
ところが、中医学では臓器はこうした「生理学的な機能」以外の役割も持っていると捉えます。
老化=「腎の衰え」と考える
中医学では「腎」を血液の濾過、尿量の調節、と言った機能の他に「生命の誕生、成長、発育、老衰、死亡」という「生命のサイクル」に関わる臓器と捉えています。
なので薬膳では、老化を考える際「腎を補う食材や生薬を用いてメニューを組み立てる」=「補腎(ほじん)」が基本となります。
腎を補う薬膳食材=補腎(ほじん)食材
薬膳で補腎作用のある食材の代表は以下の通りです。
いずれもスーパーで手に入るごく普通の食材です。
薬膳は「普段の食事から健康を守り、病気の予防に努める」を基本としています。
そのため普段の食事を大切に考え、体の状態に合わせた食材選びを重視します。
老犬のための薬膳をどう考える?
薬膳では老化を「腎」に蓄えられた「腎精」と呼ばれるエネルギーが枯渇することで起こると捉えています。
そのため「腎精」を補う「補腎」食材を取り入れることが老犬のための薬膳メニュー作りの基本となります。